モジュール1
Module 2
Cycle 1
モジュール1
Cycle 1
これまで見てきたように、協働で課題を探求していくことで、より効果的にアクションリサーチを進めることができます。グループで探究活動を行うには、その枠組みをうまく整えることが必要です。
このことを頭におき、以下のリソースを見て、グループの学び合いの場である「learning circle」を組織するための方法を確認し、自分が協働で研究を行う際に参考になると思った点について、2~3文でまとめましょう。
実際に自分の実践現場で協働でどのような研究ができるかを考えてみましょう。
The Learning Circle Model: Collaborative Knowledge Building
By Margaret Riel (2013)
「learning circle」はグループでの活動をインタラクティブな参加型のものにするための枠組みです。目標とするのは、開かれた対話と深い省察を通して、知識を構築して共有し、その結果を発信することです。実践共同体(Community of Practice、CoP)を築いたり専門性向上のトレーニングを行う際に取り入れられます。
オンラインの教授活動におけるLearning Circles
Learning Circleの基本原則
協働で行うことの利点
以下のリソースを見て、自分自身の研究課題を設定しましょう。どのような研究課題なのか、どうしてその課題を探求したいのか、短い文章にまとめましょう。
Finding my Research Question
By Margaret Riel
アクションリサーチに関するチュートリアルシリーズの3つ目のビデオです。研究課題を検討中の研究者に役に立つ内容になっています。自分の価値観などを改めて考えてみることなど、アクションリサーチで解決しようとする課題を特定するためのストラテジーを紹介します。
Conducting Action Research in the Foreign Language Classroom
By Anna Uhl Chamot, Sarah Barnhardt, Susan Dirstine
アクションリサーチは教師が自分の実践を振り返り、教育力の向上を目指すための教室研究に用いることができます。ある特定のクラスについて1つの側面を取り出し、体系的に記録していきます。教師研究の目的は、教室内の教授や学習について理解を深め、得た知識に基づき、教授や学習をよりよくすることです。多くの教師は日々の教授活動を振り返っていますが、省察を体系的に深めていくことが必要です。トレーニングとサポートによって、日常的な振り返りや教師の体験談の共有を研究として発展させることができます。
アクションリサーチを行う上で、自分自身のおかれた文脈を考えることはとても重要です。ここでは、2つの異なる文脈を見ていきます。
自分自身が教える職場
自分自身の研究課題を扱う学術分野の先行研究
以下のリソース4のビデオを見て、以下の課題を行いましょう。
自分が研究を行う実践現場のおかれた文脈を詳しく説明する文章を書きましょう
自分の課題を扱う文献を読んで先行研究のまとめを書きましょう。
Context of Action Research
By Margarete Riel
このチュートリアルでは、研究を行おうとするトピックや課題の文脈化を行います。ビデオで紹介される2つのアクティヴィティーは、「活動システム(activity system)」の物理的、あるいは社会的な面を視野に入れ、研究課題と類似している事象は何か、これまでに分かっていることは何かを探ります。研究課題や取るべき行動を定める際の裏付けとなるアイデアを集めることが目標です。
Action Research for Improving Practice (2005)
By Valsa Koshy
アクションリサーチは大学の学部生や大学院生のコースの中でよく用いられる研究手法です。また近年、教育学の博士課程で学ぶ大学院生が教育の実践面に焦点を当てた研究を行うため、アクションリサーチの手法を取り入れています。この本はこのような学部生や大学院生がアクションリサーチを行う際の一連の流れを実用的なポイントとともにわかりやすく説明します。
では、実際のアクションプランを立ててみましょう。以下のリソースを見て、アクションプランを考え、書いてみましょう。
A Practical Guide to Action Research for Literacy Educators
By Glenda Nugent, Sakil Malik, Sandra Hollingsworth
このハンドブックは教育に携わる人のために書かれたものです。アクションリサーチは何か、アクションリサーチを行う理由は何か、アクションリサーチを行うプロセスはどのようなものかを確認します。組織内で管理する立場、教員の指導にあたる立場、そして実際に教える立場の人々がそれぞれの文脈でアクションリサーチを行うことで、教育現場に良い変化をもたらすことが期待されます。具体的には、教育現場に携わる人々がアクションリサーチを定義して説明できるようになること、アクションリサーチが持つ回帰型の特性を理解し、それぞれの授業設計を向上させる方法を学ぶこと、アクションリサーチの例を提示すること、アクションリサーチが可能な題材をそれぞれの学校や教室などの現場で見つけること、アクションリサーチのプロジェクトを計画し実行すること、自らのアクションリサーチを評価し、結果を同僚と共有すること、継続的に省察を行い、教育現場における意思決定を向上させることを目指します。
Action Research for Professional Development
By Jean McNiff
アクションリサーチを始めようとする研究者にアドバイスを与えてくれるウェッブサイトです。
データ収集のいくつかの方法の長所と短所を見る前に、自分のアクションリサーチの次の点を考えて見ましょう。
研究の目的は何か
研究の焦点は何か
目標に達するためにどんな証拠が必要か
現実性と実効性はどうか
どのようにデータを記録するか
以下のリソースを見て、研究に使用するデータ収集の方法について、その選択理由を短くまとめましょう。研究を行いながら、これらの記録を取っておきましょう。
Collecting Data for Action Research for Professional Development
By Margaret Riel
データ収集することで、アクションリサーチを前に進めることができます。このビデオでは、タイムラインを作り、ちこのビデオのチュートリアルシリーズで行った書いた内容を枠組みに当てはめていきます。チュートリアルのウェッブサイトに行き、練習課題に取り組んでみてください。
Student Study Site for Self-Study Teacher Research: Improving your Practice through Collaborative Inquiry
By Anastasia P. Samaras
Ethical Guideline
(Koshy, 2005, see resource 5 in this module)
研究協力者から同意を必ず取る。子どもを対象とする研究の場合には、保護者からも同意を得なければいけない。地域の教育委員会など、その機関を管轄する部署や関係者にも知らせる必要がある。
研究倫理のガイドラインについてまとめた書面を研究協力者に渡す。
研究の目的を説明する。アクションリサーチは教育実践の向上のために行うものなので、研究を行うことに対する強い反発は出にくいと思われるが、研究の趣旨について共通理解を図っておく必要がある。
研究協力者の名前は仮名にするなど、個人情報の管理には十分に注意を払う。
研究の結果を研究協力者とも共有し、収集した内容やデータの解釈が正確で妥当なものであるか確認する。
生徒に対して新しい教育手法などを取り入れる場合には、あらかじめ保護者に知らせる必要がある。
生徒や保護者の気持ちや意見に配慮する。特に、教育力向上の研究の場合、参加する生徒のみが利益を受けているととられやすい。研究の結果は生徒全体に還元されるものであることを強調する必要がある。
データ収集の際は授業の活動の妨げになったり個人のプライバシーに立ち入ったりしないように気をつける。
デリケートな社会問題を扱う場合には、研究の目的や最終的な目標を研究協力者にしっかりと説明する必要がある。
Checklist
研究倫理に配慮したか?
保護者や同僚、職場の上司等、研究プロジェクトに関わる全ての人から許可を取ったか?
どのような機材が必要か確認したか?録音機やビデオカメラなどの機器はきちんと使えるか?
どのように情報の正確性や妥当性を保つかを考えたか?
収集した情報をどのように管理するか?
どのようにデータを解釈するか見通しを持っているか?
研究にかかるコストを含め、必要なリソースをどのように整えるか?
計画を実行する前に、データ収集や分析の方法、記録のまとめ方について、モジュール2を通して学んだことを要約しましょう。以下のトピックについて、1~2文でまとめるとよいでしょう。
学びの場となる「learning circle」
研究背景
研究課題
アクションプラン
データの収集方法
アクションリサーチの最初のサイクルの準備が整いました。アクションプランを作る過程を振り返りましょう。
困難だと感じる点は何だったか?その理由は何か?
アクションリサーチの2つ目のサイクルに入る際には、以下の点を考えてみましょう。
変更を加えたい点は何か?
More Resources
もっと知識を深めたい場合には、サポートとリソースのページに行って、関連するウェッブサイト、参考文献リスト、研究論文の雑誌の一覧を見てみましょう。